今ここにあるものに五感を集中してみること。
今目に見えるもの
今聞こえる音
今する香り
今感じる触感
今ある味覚
に集中してみること。
すると時々、それに伴ってふわっと過去の記憶が呼び戻される時がある。
その記憶は、ほんとになんてことのない日常の記憶。
例えば先日、少し心を落ち着けようと目を瞑っていた時のこと。
近所の人の声、鳥の声、犬の声、車の音、遠くに飛行機の音がして、
暑いけど風が肌に当たる感じが心地いい。
そんな感じを味わっていたら、
遠い昔、日曜の昼下がりに祖母の家。
ごろごろとしていた記憶が呼び出された。
多分同じように、近所の人の声がしたり、車の音がしたり、隣の部屋で祖母が見ているテレビの音がしたり、ごろごろしながら風が心地よかったりしたんだと思う。
ほんとに特別なことでもない、なんてことのない日常だけど、その光景が今、宝物のように思えた。
遠い昔の私がちゃんとその瞬間を味わっていた証拠。
なんでもない日常だけど、それが今の私に届いて宝物になってる。
今ここを味わうことは、宝物を見つけていること。
そしてこれ。
2歳の我が子は毎日、自然にやっている。
セミさん鳴いてるねえ
飛行機飛んでるねぇ
パンのいい匂いするね
お花さん咲いてるねえ
これ美味しいねえ
時々、こちらが気づかないくらいのわずかな音や香りに気付いたりするので、びっくりするのだけど、
そうやって子も毎日「今ここ」の宝物を集めているのだなと思う。
そんな子。ミンミンゼミの鳴き声が「フェイフェイフェイフェイ」に聞こえるらしく、毎日聞こえては真似して大笑いしている。
一緒に笑っていたら、この瞬間、これは私の宝物にもなった。
子が「フェイフェイ」言わなくなっても、またきっと私はミンミンゼミの鳴き声を聞いたらこのことを思い出して嬉しくなる。
今を味わって、宝物集めよう。