猫を愛してやみませんが、実物でなくても物語のなかで出てくる猫も好きです。
猫が出てくる好きな話はいくつかあるのですが、群ようこさんはご自身がたくさんの動物と暮らした経験があり、本の中にもたくさんでてきます。
だから、動物の描写もとても「わかるわかる」とリアリティがあるし、愛情も感じます。
最近読んだこのシリーズ2冊もそう。
「ネコと昼寝」はれんげ荘シリーズ、「優しい言葉」は「パンとスープとネコ日和」のシリーズ。
どちらも大きな波がくる話ではないのですが、ゆっくりと時間が流れていく本。
その中の要所要所にネコが登場します。
「ネコと昼寝」のなかのキョウコさんは、有名広告代理店を45歳で早期退職したアーリーリタイヤ。働かずに貯金を崩して、月10万円で心穏やかにささやかな暮らしをおくる日常が描かれます。今までとは真逆の暮らしを楽しんでいるのがいいし、お金をとても大事に丁寧に使う様子もいいなと。
同じように、「優しい言葉」のアキコさんも出版社を早期退職されるのですが、彼女は亡き母が遺した食堂を改装し、パンとスープのお店をオープンさせます。今回はわりと意外な展開があって、また続編も楽しみです。
こちらもそのひとつ前のシリーズ。
どちらも独身の女性なのですが、二人とも以前は「広告代理店」「出版社」とまわりが見ればとても華やかだけど、忙しい職場。それを手放して得た新しい暮らし。
そしてまた、まわりの人たちがまた良い味を出しています。人に恵まれているからこういう生活も成り立つんだろうな、と。
映画になるとリラックスしすぎて途中で寝てしまうのですが… 笑。
ゆっくりと時間を過ごしたい時に読みたいシリーズ本です。
ネコの話といえば、こちらも好き。
▼ 西加奈子「しずく」:猫が教えてくれる丁寧で穏やかな暮らし。
あ、そうだ。ネコが教えてくれることは「ゆとりある暮らし」そのものなのかもしれない。
「優しい言葉」の裏表紙にいた猫たち、実家猫と似た柄です。