ヨガで暮らしと心を整える

「ご飯が呼吸できるように」佐藤初女さんのおむすびから学ぶこと。

最近、夕ご飯でお米をちょっと多めに炊いて、残りをおにぎりにして翌日のお昼ご飯に食べています。

おにぎり、おむすび。

これこそ、シンプルで手軽で腹持ちも良くて、日本人のソウルフードであり、ファーストフードなんじゃないかと思うくらい。

そんなおにぎりですが、先日佐藤初女さんが出演している「地球交響曲ガイヤシンフォニー第二番」を見てから、私のおにぎりの握り方が変わりました。

そして、見事に味が変わりました。
おにぎり おむすび

佐藤初女さんのおむすび。

佐藤初女さんは、テレビや本で時々お見かけして「おむすびと自然食で人を癒す人」くらいの認識しかなかったのですが、残念ながら2016年の2月に94歳でお亡くなりになったそう。

青森県に「森のイスキア」という施設を作り、そこで体や心を病んだ人たちを受け入れ、食事を作り共に食べて、訪れた人々を癒していました。今回、地球交響曲で初めて、ちゃんと佐藤初女さんのことを知りました。声もとても穏やかで内側から平和な人だということが見ていて伝わってきます。こんな人が作ったお料理を食べれば、本当に癒されるだろうな…と。

その中でとても、印象的だった言葉。

「生活すべてが祈りだと思っている」
「硬く握らないように、ご飯が呼吸できるようにね」

初女さんはキリスト教徒なので、「祈り」に関する言葉も出てきたのですが、手を合わせる祈りよりも、生活そのものが誰かのためにとの祈りなんだとか。これは、永平寺のお坊さんのお話にも繋がりました。

そして、もう一つの言葉。ご飯が呼吸できるようになんて、そんなこと考えたこともなかった。そりゃお米だってぎゅうぎゅう押しつぶされるように握られちゃあ、苦しいですよね。満員電車みたい。

それから、おむすびを作る時、それを意識して作るようになりました。

おにぎり 佐藤初女

ご飯に少し塩を振って、梅干しを入れて。梅干しは主人のおばあちゃんが作ってくれたもの。酸っぱいので少しだけ。ご飯が呼吸できるようにふんわりふんわりと握る。

ちょっとの意識を変えただけなのに、おにぎりが劇的に変化しました。

美味しいんです。それをよく噛んで味わって食べる。

究極のシンプルな食事

おにぎり、おむすび。

これこそ、究極のシンプルライフならぬ、シンプルライスです。

そして、私自身、料理をする時もできるだけゆっくりと気持ちを込めて作りたい。初女さんは「面倒くさい」という言葉は好きではないんだとか。

ああ、私すぐ言っちゃう…。面倒くさいからこのくらいでいいかって思っちゃう。初女さんはその言葉を聞くととても寂しくなってしまうそう。その「面倒くさい」の一線を越えることで、人の心に響いてくると。

ズボラで面倒くさがり屋なのですが、少しずつ、その一線を越えていきたいと思うのでした。でも、物を減らして暮らしを小さく簡素にしていくと、面倒なことが面倒でなくなってきているというのは事実。前よりは、少しだけ丁寧になれたのではないかな…と。