森に迷い込んでしまうように、パラレルワールドに迷い込んでしまった。
あの時、こうしていれば良かった。あの時、あんなことを言わなければ良かった。
そんなことを思うのは、誰しもあると思う。
自分が選択しなかったもう一つの道が、その瞬間に新たな世界となって平行線に続いているとしたら…。
選択の瞬間に別の自分が生まれ、そちらの道で生活しているとしたら…。
もしかしたら、数え切れないくらいのパラレルワールドが存在しているのだとしたら…。
そんな奇妙な世界を描いた小説を読んだ。
私が行ってきた様々な選択の結果、こうやってブログを書いている私が今ここにいるけれど、もしかしたら「あの時こうしていれば」と思われている側の世界だったりして。
あちら側の別の選択をした私は今頃どう暮らしているのか?と想像してみる。
いろんな想像が駆け巡ってちょっと楽しいけど、確かにあるのは、今ここにいる自分だけ。
とても分厚い本だけど、楽しめた。このカバーを外した装丁もとても素敵だなーと思ったら、挿絵・挿画・題字はミナ ペルホネンの皆川明さんでした。
「本」にまつわる話