平家物語の冒頭部分にも出てくる、沙羅双樹の花。中学か高校生の時暗記した人も多いのでは。
祗園精舎の鐘の声、
諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、
盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、
唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、
偏に風の前の塵に同じ。
ふと何気に思い出し、
確か、この時期だったはず、と昔のブログ(このブログではなくて)を遡るとやっぱり6月。
こういう時に自分の記録としてブログは役立つな、と思いつつ。
沙羅の花を愛でる会
何を思い出したかというと、妙心寺の中の東林院で行なわれている「沙羅の花を愛でる会」。実はこの会に行くのは2回目。初めて行ったのは、もう7年も前。
当時土日の休みがなかなかなく、平日が休みだった私は、こうやって母とよく京都巡りをしていた。
その時に、母に誘われて出かけたのだと思う。今回は思い出したのがもうすでに6月末に近い頃。この会は6月15〜30日まで。
これは思い出したタイミングがゴーサインだと受け取り、早速晴れの日を見計らって行ってきた。
散りゆく沙羅が教える無常の美
沙羅双樹はお釈迦様が入滅された時に、咲いた花として仏教とつながりの深い名木。朝に咲いて、夕方には散りゆく、とても儚い花。
(実際にお釈迦様の入滅の時に咲いていた沙羅双樹と、この沙羅の花はまた違う種類らしく、日本ではなかなか育たないそう)
咲いているのはたった1日だけど、落ちた後もこうやって愛でるというのが日本人らしい。その後は土に還っていく。
「無常」を教えてくれる花。
この東林院のお庭は、普段は非公開でこの時期にしか公開されていないらしい。そのお庭を眺めながら、お抹茶とお菓子をいただきます。
この庭を眺めている時間も、お抹茶をいただいている時間も無常。
禅のテーマパーク、妙心寺
この日は行かなかったけれど、法堂の「雲龍図」や退蔵院の「陰陽の庭」も見所がありおすすめです。
ああ、これが無常か、と。花より丼で気づく無常。
今日は6月30日。「沙羅の花を愛でる会」は今日まで。そして、京都では水無月という和菓子を食べる日。