昨日は父の日でしたね。父は出張でいなかったので、まだ「ありがとう」も伝えらえていませんが、ちょっと父にまつわることを書いてみようかと思います。
本の出版にまつわる話。
「重版出来!」は漫画の編集部の話ですが、本にまつわる話がたくさんでてくる。
第8話の中にはこんなセリフも。ある書店員さんが、14歳の頃を思い出してのセリフ。
「花柄よりボーダーが好きで、恋バナより本の話が好きで…将来への漠然とした不安を抱えていた」って。
私ですやん…。
そんななかなか面白いドラマを勧めてきた父。最近、私が街に出るタイミングと父のランチの時間が被ることがあるので時々一緒にお昼を食べています。
天ぷら御膳ご馳走になったり、ここぞとばかりに(笑)
母が亡くなってから、父とも色々話すようになったのですが(それまでは父はどちらかというと苦手な存在)、その中で父が一言いいました。
「これを最後の1冊の仕事にする」と。
私の父は、本を作る仕事をしています。編集者という職業。だから「重版出来って言葉知ってるか?」とドラマも勧めてきた。(ちなみに「しゅったい」ではなく父は普通に「でき」と読むそう)
今企画している1冊を最後に会社は引退する予定なのだそう。(そして、その本の為にあるブロガーに声をかけたいのだが、問い合わせがわからない、と言って聞いてきた。ブロガーさんはなんと70代。そして昨日はそのブロガーさんに会うことも兼ねた出張だったそう。いくつになってもブログを始めてみる可能性はありますね。)
今更ながらにようやく気づきました。
私はいろんな意味で、本に育てられてきたってこと。
それは私が本が好きで、本に色々教わってきたこと救われてきたことももちろんあります。それは十分に気づいていました。けれど、私の父は本を作る仕事で、それが売れたお金で、私は育ててもらったってこと。
本を作るのにたくさんの人が携わっていて、私が生活させてもらえたのは、本が売れたお金があったから。
そして、その本を買ってくれた人がいたから。
そんな父の仕事の面を始めて少し垣間見て、父にもですし、本にもですし、なんだかもうよくわからないけど、買ってくれた人だったり、お金だったり、いろんな流れに感謝したくなってしまった。
父の本は難しすぎて、私は読めたことがないのですが…。
紙の本はもうオワコン、だとか言われているけど、漫画など電子で読みやすいものは電子書籍で読んだりもするけど、それでもやっぱり紙の本が好きです。
父は、本は必ず新しいものを買って読む人です。図書館で借りたり、中古で買ったりしません。(だからものすごく溜まるのですが…)そこに自分の仕事への誇りのようなものも見えたりしました。
私にしても、服や美容に使うお金は減ったけど、書籍にかけるお金は増えているし、これでだけはミニマルにできない部分かもしれません。
手元に置く本はあいかわらず減らすのだと思うけど、読む本は減らないだろうなあ。むしろ暮らし方をミニマルにしたおかげで、読める時間が増えた。
好きな事をする時間が増えた。
本に育ててもらった私は、本を買う事が恩返しになるのかな。なんだろう。
と、「重版出来!」のロス感を埋めるかのように、原作の漫画を大人買いして読んでます。(こういうのは大人になって本当良かったことですね。幼い頃は1巻買うのにお小遣いためて必死だったのに)
色んなものごとに育てられてきていましたね。一人で大きくなったみたいな顔して生きてて、ごめんなさい。
なんだか、そういうことまで気づかされたとてもいいドラマでした。続編、期待してます。